作品情報
レファレンス番号 | AS00002 |
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タイトル・主題 | outline 4 |
作家名 | 藍嘉比沙耶 |
制作年 | 2018年 |
メディウム | アクリル絵具、木製パネル、綿布 |
サイズ(cm) | 72.8 x 60.7 x 2.8 |
一般公開コンテンツ
概要
藍嘉比沙耶は90年代の日本のアニメを引用することが多い。この時代はアニメがセル画で作られていた時代の最末期にあたる。セル画時代最末期のアニメ絵は輪郭線の硬質さと明瞭さに特徴がある。そのような形態の描写と質感表現は日本製アニメが産業として成熟していく過程で定型化していった表現であるが、藍嘉比にとっては造形表現受容の原体験でもある。そのようなアニメキャラクターの絵に対して自らが抱く心理的な形象を表現するために、ステイニング(註1)を用いた輪郭の曖昧な描写を行っている。千羽由利子がキャラクターデザインと総作画監督を担当したアニメ『To Heart』(1999年。原作はLeafが制作した同名タイトルのアダルトゲーム)の様式を連想させるが、このキャラクターは何らかの作品の引用ではなく、藍嘉比のオリジナルである。
所蔵
梅沢和木(所蔵地非公開)
来歴
- 2019年5月、梅沢和木が関内文庫を通じて作家から購入
展示歴
- 2019年5月、関内文庫(横浜市)藍嘉比沙耶|杉本憲相 メディウムとしてのアニメ
補足
註1:ステイニングは下地処理を行わないキャンバスに薄く溶いた絵具をしみこませる手法。1950年代後半のアメリカに現れた「ポスト・ペインタリー・アブストラクション」の画家たち、とりわけケネス・ノーランドやモーリス・ルイスらが多用した。