information
イベント名 | 藍嘉比沙耶|杉本憲相 メディウムとしてのアニメ |
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会場 | 関内文庫 アクセス |
開催日程 | 2019/5/10(金), 5/11(土), 5/12(日) |
開場時間 | 13:00 - 18:00 *初日5/10(金)は18-20時 |
出品作家 | 藍嘉比沙耶, 杉本憲相 |
概要
関内文庫は、藍嘉比沙耶(アオカビ サヤ)と杉本憲相(スギモト ケンスケ)の2人展「メディウムとしてのアニメ」を開催する。
ここ20年ほどの日本の現代美術は、アニメのビジュアル表現に強い影響を受け、アメリカやヨーロッパのポップアートとは異なる独自のコンセプトを提示し続けてきた。
じつのところ、それらの作品はアニメ絵の単純なコピーではない。空間芸術である美術が時間芸術であるアニメをコピーすることは原理的に不可能だからだ。
アニメの1コマ1コマは人の手で描かれた絵だが、その絵はあくまでも動きや物語の流れを表現する映像作品のパーツにすぎない。そのパーツによって構成されたアニメの映像は光学的なイメージであって、モノとしての手触りや質感、大きさや重量を持たない。いっぽう、絵画や彫刻は動かない。しかも、それらの作品は光ではなく、空間に展示された物体である。だから、アニメの要素をアートに引用することは鑑賞者が想像する以上に困難であり、その実践には多くの技術的、理論的課題がある。
藍嘉比は、モチーフとなったアニメ絵から輪郭線や色面を分解し、絵画上に再構築することで、新たな形態の層(レイヤー)を構成する。いっぽう杉本は、絵具の流動性をアニメのモーションに結びつけ、最近までアニメ制作に用いられていた素材であるセル画裏面の質感を想起させる立体作品を提示する。
造形美術における運動と形態の表現、イメージと物質性の問題——アニメとファインアートを接近させることで、歴史上の美術家たちが格闘してきた普遍的な課題が再度浮かび上がる。藍嘉比と杉本の作品はポップアートではない。正統な(アカデミックな)美術史の流れを継承する造形表現である。
「メディウムとしてのアニメ」展の開催をもって活動を開始する関内文庫は、現在進行形の美術動向をアーカイブし、そのデータを可視化、共有するプロジェクトである。そのこけら落としとして本展を開催できたことを誇りに思う。
(文・松下哲也、企画・伊藤啓太)
2019年5月、関内文庫
作家略歴
藍嘉比沙耶(あおかび・さや)
1997年静岡県生まれ。東京造形大学 美術学科絵画専攻 在学。自身の原風景をアニメキャラクターとし、それを元に平面の制作を行なっている。主なグループ展に2019年『光るグラフィック展2』クリエイションギャラリーG8。2018年『RED HOUSE』TALION GALLERY。『ソラリスの酒場』the CAVE。2017年 『シュトゥルムシュトゥルム「全滅する」』ゲンロン カオスラウンジ五反田アトリエ。など
杉本憲相(すぎもと・けんすけ)
1991年三重県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了。キャンバスから瓦礫まで様々なマテリアルに絵を描いている。主な個展に『何十年も前に死んだ。』中央本線画廊。グループ展「わたしはお皿に落書きをしません。」ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエ。『3×3』二人展『アフター10.12』Audio Visual Pavilion(韓国、ソウル)。など
作家略歴
藍嘉比 沙耶(あおかび さや)
1997年静岡県生まれ。東京造形大学 美術学科絵画専攻 在学。自身の原風景をアニメキャラクターとし、それを元に平面の制作を行なっている。主なグループ展に2019年『光るグラフィック展2』クリエイションギャラリーG8。2018年『RED HOUSE』TALION GALLERY。『ソラリスの酒場』the CAVE。2017年 『シュトゥルムシュトゥルム「全滅する」』ゲンロン カオスラウンジ五反田アトリエ など
杉本 憲相(すぎもと けんすけ)
1991年三重県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了。キャンバスから瓦礫まで様々なマテリアルに絵を描いている。主な個展に『何十年も前に死んだ。』中央本線画廊。グループ展「わたしはお皿に落書きをしません。」 ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエ。『3×3』二人展『アフター10.12』Audio Visual Pavilion(韓国、ソウル)。など
作品配置図
藍嘉比沙耶
A1《trimming》 2019年
A2《outline 4》 2018年
A3《M#4》 2017年
A4《mezzo forte》 2017年
A5《P and S》 2016年
杉本憲相
S1《平らなキャラクター #3》 2019年
S2《平らなキャラクター #4》 2019年
S3《平らなキャラクター #1》 2019年
S4《平らなキャラクター #2》 2019年
S5《瓦礫のキャラクター #3》 2019年
S6《瓦礫のキャラクター #2》 2019年
S7《瓦礫のキャラクター #1》 2019年
S8《何処にでもいる》 2018年
S9《Ghost skin #2》 2017年
S10《character ghost #1》 2017年
360°画像
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
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